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平和旬間報告

昨年の9月より養成部は今年の平和旬間を有意義に祈念するイベントを企画しました。テーマを「鎮魂から賛美へ」に設定。平和の原点である広島原爆絵画展と共同礼拝、セレモニー等を計画しました。広島原爆資料館との折衝、近隣の教会へ働きかけ等の準備を経て、2002年8月4日から8月11日までの1週間、平和旬間がはじまりました。
プログラムは以下の通り。
1、原爆絵画展   8月4日―11日(9:00〜16:00)
  ビデオ上映   8月5日― 9日(13:00〜  )
          於: 六甲教会イグナチオホール
2、オープニングセレモニー
  8月4日 13:30〜   於: 六甲教会聖堂
   一部「広島の証言」      木村しずこ 姉 (広島学院教諭李神父のお母様)
   二部「受け継がれる尊い命」  声楽アンサンブルカメラータ神戸による演奏
             
3、感謝平和礼拝(プロテスタント・カトリック合同礼拝)
  8月11日 13:30〜  於: 六甲教会聖堂
    説教: 金 徳化 先生(在日大韓基督教会東部教会牧師) 以下プログラムの状況を報告します。


原爆絵画

  • 広島原爆資料館からお借りした絵(原爆投下から約30年経て被爆者自ら描いた絵のレプリカ)30枚を展示。長い逡巡の時を超えて描かれた絵である。
  • 「戦争になれば私たちは否応なしに巻き込まれてしまうのよね。戦争はよくないわ。」「やりきれんネ−、戦争は絶対しちゃならん。」「人間の愚かさを感じる。」等の感想をいただきました。見学に訪れた人々の心に様々な想いと瞑想をめぐらすことができました。
  • 教会の門の立て看板を見て、絵画展を見に来られた一般の方、神戸大の学生の来場もありました。
  • 原爆絵画展は朝日新聞社の取材を受け、8月7日の朝刊に掲載されました。

ビデオ上映

  • 上映したビデオは、8月5日「火垂の墓」、6日「黒い雨」、7日「長崎の鐘」、8日「ビルマの竪琴」、9日「千と千尋の神隠し」
  • 戦争の悲劇に涙、涙。皆さん、胸を詰まらせていらっしゃいました。

広島の証言(オープニングセレモニー一部)

  • 証言された木村姉は9歳の時に被爆。被爆二週間後お姉様を亡くされる。
  • 遺体で埋まった川、皮膚が焼き爛れ垂れ下がっている人々の往来、死体という死体にウジが湧き、虫の息の人も死体もトラックで畑に運ばれ、山と積まれて焼かれたこと。水、水、と叫びながら死んでいった親子。黒い雨が降った時のこと。地獄絵を目の当たりにされた。今も鮮明に残る光景、そして爆心地独特の臭いを記憶に留めておられ、今でも後遺症に苦しまれて居られます。「何事が起きたのだろう、夢を見ているようだった。」と生々しい体験談を話してくださいました。
  • 原爆が投下されて半世紀、悲しみを持って見続けるだけでなく、平和の大切さを考えるきっかけになったのではないでしょうか。

「受け継がれる尊い命」(オープニングセレモニー二部)

  • グレゴリアン聖歌。アルカデルト、ブラームス、フランクらの作曲による「アヴェマリア」。コロン作曲「被爆のマリアに捧げる賛歌」などの曲が演奏された。
  • 素晴らしい演出と十数名の天使の歌声に、暫し浮世を忘れ、天国へ誘われたような、素敵なひとときを過ごす事が出来ました。
  • オープニングセレモニー、絵画展、ビデオ鑑賞には通算500名余の方がご来場下さいました。 

感謝平和礼拝 

  • 神戸聖書教会、近畿福音ルーテル教会、六甲カトリック教会共催
  • 礼拝は説教がメインであり、共に祈る雰囲気に溢れ、解放感がありました。
  • 車賢淑姉が「聖フランシスの平和の祈り」を独唱。姉の歌声は大変素晴らしく、韓国語と日本語で歌われたのが感動的でした。
  • 金牧師の説教  題:「平和への道」
    イエスはエルサレムに近づき都が見えた時、その都のために泣いて言われた。「もしこの日にお前も平和への道をわきまえていたなら…しかし、今はそれがお前には見えない。(ルカ19:41〜42)」この涙はエルサレムに限らず、原爆被災地広島、長崎、そして全世界の滅び行く魂のためにも流されたことでありましょう。

    昨年9月11日のアメリカ同時多発テロに対するアフガニスタンにおける報復戦争、パレスチナの自爆テロに対するイスラエルの報復。ルカ22:47〜53 には 報復に対するイエスの態度が明瞭です。イエスが捕らえられる時ペテロは大祭司のしもべの耳を切り落とします。イエスはペテロをいましめ、敵の耳をいやし「剣を持つ者は剣で滅びる。」といわれました。ゲッセマネのイエスは徹底的に (1)無抵抗 (2)神への絶対服従 (3)敵をも愛し許す、この三つの態度を貫かれたのです。

    アメリカのバヤジドという人が有名な告白を残しています。彼は若い頃「主よ、私がこの曲がった時代、不条理と矛盾の多いこの世をひっくり返す力を下さい。」と祈りました。しかし 70歳になり 数々の反省の後 彼の祈りは「主よ、私に私自身を変化させる力を与えて下さい。」に変わりました。彼の告白は世を覆す巨大な野望より、まず私自身が変えられる祈りと努力の必要性を教えているのです。

    ダマスコの道でイエスに出会ったパウロは、彼の生涯が完全に変えられてイエスキリストを伝える使徒になったのです。このようにイエスキリストの愛と福音は人を変えさせます。一人の人が変えられることがどんなに大切であるかが分かります。世界平和への道もそこにありましょう。

    平和は自分から始まります。
  • 共同礼拝への参加者は100名程でした。礼拝後、小さな茶話会を開きました。80名程の方がご参加下さり、盛会に終えることができました。

最後に

  • プロテスタントの方々と友好を深め、交流出来ましたこと、大変嬉しく思います。この大きなプログラムは、六甲教会だけの力では成し得ず、神戸聖書教会、近畿福音ルーテル教会、在日大韓基督教会のご協力、神港教会、青谷ルーテル教会、栄光教会、カトリック住吉教会などの方々にも支えていただき心より感謝致します。互いに愛し合うことなしに平和はありえず、教会と教会、人と人とが理解しあい、支え合い、心豊かな社会を目指して邁進致しましょう。金先生の説教にもありましたように「神の御心に服従する」努力を私たち一人一人がしなければならないと思います。今後もエキュメニカルな一致を進めていけるという確信を持つことができました。平和旬間を支えてくださいました皆様に心より御礼申し上げます。
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