「まことの智にいたるまで」
エロワ・ルクレール著　光明社

副題として「アシジの聖フランシスコの歩み」と書かれているように、わずか139ページの小さい本ですが、聖フランシスコの精神の深みに触れたように感じさせてくれます。アシジの素朴な、しかし美しい景色の中を、仲間とともに、神を賛美しながら歩むフランシスコ、同時に暗闇と苦悩に身をゆだねながら神にのみ信頼をおいて、光明の輝きの中へと歩み続けるつぎだらけの粗末な服をまとったフランシスコと歩みを共にし、その心の奥底を覗きたいと願わずにはいられなくなります。フランシスコについては、美しい本がかなり沢山書かれていますが、兄弟レオやルフィーノ、姉妹クララ等との対話を通して、彼の単純さと深さを同時に語りながら、貧しさと神の偉大さをあわせて、悟らせてくれる本は数少ないのではないかと思います。聖フランシスコの精神に関心をお持ちの方には是非勧めたい本です。祈りの助けになりますし、霊性を養う助けにもなります。

（図書室　三輪）

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