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1月1日、"神の母マリア"の祭日に寄せて

 この元旦に教会は、「神の母マリア」の大祝日をお祝いします。マリアは受胎告知を受けた時、これから一体どんな運命が待っているのだろうか、と心が乱れたことでしょう。馬小屋での幼子誕生、羊飼いたちの驚き、東方からの博士達の来訪、幼児たちの虐殺、エジプトへの逃亡、ナザレトへの定着など次々と起こってくる不可解な出来事に対して、"お言葉通り我になれかし!"と祈りながら、全ての事柄を心に納め思い巡らしておられた。即ち、地上のドラマが次々と繰り広げられていく中で、聖書はマリアに沈黙を守らせています。マリアにとって必要なのは、祈りであったという事ではないでしょうか。マリアにとって、どれ程信仰が必要であったか、どれ程神への信頼が必要であったか、それは沈黙のうちに祈るマリアの姿を見る時に分かってきます。
  私達も勝手なおしゃべりや個人の考えを一度中断したいと思います。心を静め、耳を澄まして神のみ旨を聞き取りたいと思います。私達が生きている世界は全ての人に病いと死が存在し、何が起きるか予測も出来ない世界です。矛盾や不正義のある世界です。戦争やテロが起きる世界です。祈りなくしては、まともに生きていけない世界です。マリアの取り次ぎによって、新しい年を祈りで始めましょう。心に信仰・希望・愛が増すように!

  全世界の教会は1月1日を「世界平和の日」と定め、戦争や分裂、憎悪や飢餓のない平和な世界が来るように特別な祈りを捧げます。キリスト者にとって、平和を唱えることはキリストを告げ知らせることに他なりません。新年に当たって私達は、信仰の原点に立ち返り、全ての善意ある人々と手を携え、平和な世界の実現に向かって歩む決意を新たにしたいと思います。不可解なそして不条理な人間の世界を直視するとき、マリアの祈る姿こそ平和を実現していく出発点ではないでしょうか。
                                        

(桜井神父)


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