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図書紹介
「神の慈しみの島 東ティモール」

亀崎 善江著

女子パウロ会


 第二次大戦中は日本、その後はインドネシア、独立前後には民兵(民間人による武装組織)により、多くの血を流し続けたティモール島。その争乱と抑圧、貧困、病の中でも、美しい大自然と、95%がカトリックという深い信仰に恵まれ、人々は健気に生きている。

その人々に、1922年生まれのシスター・ノエミ亀崎は、福岡の聖母病院に勤務しつつ、1991年より十年間に13回、この地を訪問し、草の根医療奉仕をされ、2002年の荻野吟子賞(日本初の女医荻野吟子を記念した賞)を受賞された。

深い祈りに基づいた、真摯で温かいシスターのまわりには多くの人々の祈りに支えられ、次々と浄財・物品・協力者達が集まってくる。
貧しく電気もないこの国の素朴な人達、輝く目の子供たちと深く関わってゆく中、協力者達は電気のある日本で失ったものに再び出会う。愛と自由。

自己から解放され、感動のうちに神に出会い、援助されたのは自分達だったと彼らは気付いていく。苦労しながらも共に生き、信頼が生まれるところに、神の慈しみと平和が広がっていき、両方が豊かになっていく。本当の意味での国際協力を教えられた。
賢明な識別は必要だが、若者がこの様な生き方を希望した時には、純粋な心の芽を摘み取ってはならないと思う。

長い期間をかけて世界各地で今もなお働いている多くのこの様な人々に思いを馳せつつ、武力によって、地元の人達とのせっかく築かれた信頼関係を破壊し、支配することは絶対してほしくない。我が国も悲惨な戦争を体験したのであるから、武器を持って戦争してもよい国へと巻き込まれてゆくのだけは何とか阻止したいものだと祈る昨今である。
    

(荒川)


 





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