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図書紹介

「生きる力」

春名 康範 著


日本キリストキ教団出版局(2002年)


当教会図書室で帰り際に何気なく見つけた本です。中高生用のテキストとして書かれたキリスト教、特に聖書の断片的な解説書です。100頁余りで値段が800円と手頃な事から、要理書や神学書と異なり気軽に読めるのが何よりです。
誰もが知っているあるいは、きいた事のある「主の祈り」が、中学生の手によって"自己中心的"に新しく作られ、それを紹介しているのがとても感動的で、素直に若いキリスト信者の胸のうちを表しています。一文だけ紹介すると
『・・・だけど私の過ちは無かった事にして、そっと見逃してください。・・・』イエスがきいたら何と答えるでしょうか?私は、自己中心的であっても、その中にイエスへの愛が感じられるのであれば、私的に唱える祈りとして認められるものと信じます。

一読の価値があり、日常、キリスト教徒がミサの中で唱える「主の祈り」と比べてほしい。毎回、素直に裸の心情で唱えているだろうか?義務や習慣に駆られて空の祈りになっていないだろうか?私は、恥ずかしさで一杯になりました。洗礼を受け年数を経るにつれ、素直な心が世俗の垢にまみれ、祈ることが感動の無い当たり前のことに変化している事実にも気付かされました。今年、後半の課題として「主の祈り」に取り組もうと密かに決めております。
自己中心的な見方から離れて他者のための「祈り」は、訓練すれば貧しい私達にも出来ることでしょう。そして、何を祈り、何を諦めねばならないのかを願い事の中から知る事も大切です。
難解な神学用語を振り回した解説書や説教文よりも、遥かに強い信仰宣言になっていると確信します。中高生の諸君、また、洗礼後年数を経た信徒の方が、一読される事を薦めます。
マタイ福音書の「求める」に対して、マルコ福音書の「悔い改め」の思想が自然と実感できるような「主の祈り」を、心の中に住むに違いない「私の神」に向かって叫びたい。

細川昭雄(芦屋教会)


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