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図書紹介

 共同体 ゆるしと祭りの場

ジャン・バニエ著


女子パウロ会


1979年の著作で1983年に日本語に訳された。著者は1928年にカナダで生まれ、霊的指導者トマ神父が北フランスで障害者の家の指導司祭になると、誘われてフランスに行き、トロリーで肉体障害とともに心に障害を受けている二重障害者たちと協同者たちとの共同体としての、アルシュ共同体を設立する。

アルシュはノアの箱舟の意味である。 ここでの共同生活がどのような精神を土台として築かれ、どのような赦しの中に生き、どのような危機感、緊張を乗り越えて、成長し解放されていくかが丁寧に述べられ、さらに祭りの意味について詳しく述べている。

家庭内暴力、学校内暴力、そして今やまさに各年代の共同社会への適応の困難と逃避とが心配されている時代に、自分たちの身近な共同体である家庭がどのような問題をかかえているのか、またはどの様に成長するべきか、どのように信頼しあい、赦しあって生きていこうとしているのかなどについて、も教えてくれると思う。

例えば、「愛とは特別な、英雄的なことをすることではなく、当たり前のことを優しさをもってすることである」とか「緊張を覆い隠し、何事も存在しないかのようにふるまい、礼儀正しさで包み隠し、現実との対話から逃げ出そうとする事ほど、共同生活にとって有害なものはない。

緊張と不和は神の新しい恵の到来を告げる印であり、共同体への神の訪れを告げるものである」と。非常に異なった2点を述べたが、これらの言葉が読者の興味を惹き起こすなら、幸いである。
        

(三輪黎子)

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