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社会活動部 学習会報告

 2月27日(日)13時30分より、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者を支援している民間団体「ウィメンズネット・こうべ」代表の正井礼子さんのお話を聞きました。DVの被害者を支援するための公的な機関・施設は最近になってやっと出来たそうですが、まだまだ数やその運営が現状に即していないので正井さんたちは全くのボランティアで活動しておられます。ご苦労の多い活動をされながらも明るく、淡々となさっていて、被害者と同じ高さの視点で活動をされているご様子に感心しました。
 出席者は35名、うち男性は2名でした。この話は是非、多くの男性に聞いて頂きたかったです。なぜならDVの加害者は95%が男性だそうです。日本の社会では、男性は男らしく強く、女性は女らしくやさしくと育てられて来ましたから、男性が弱い者に暴力をふるっても、暴言と屈辱的な言葉で相手を怯えさせても、男らしいと取り違えた影響なのでしょうか。その人たちも父親が母親に暴力を振るい、暴言を大声で怒鳴るのを聞いて育ち、場合によっては自分も暴力を受けていたようです。
しかし、そのような家庭で育った子供でも65%は自分の親を反面教師としてとらえ、DVを繰り返さないそうです。そういう人には、その成育の過程で、その子を支え続けてくれた先生・親戚・近所の人が必ずおられたそうです。人の暖かさはありがたいことです。

 DVの内容は、大まかに分けると身体的な暴力・言葉による暴力・無視・相手の社会的関係を断つ手段があるそうです。相手の社会的関係を断つということは、相手を常に監視して、異性はもちろん同性の友人とでも接触を嫌うので、反対の面から見れば、この人の嫉妬深さは自分を愛している証かと錯覚してしまう事もあるかもしれません。この風潮は若い恋人の間に増えているそうです。
結婚している被害者が、離婚しようと思っても一番のネックは女性が経済的な手段を持っていない事、そして自分の実家や相手の実家などが世間体を気にして離婚させない、辛抱しなさい、結婚とはそんなもんだとか言って取り合ってもらえないことで、なかなか自立できないそうです。
  被害者がシェルターに駆け込むまでには筆舌に尽くせないような時間を何十年と過ごしてやっと決心して家を出て来ても、やっぱり相手を捨て切れないで戻ってしまう。アメリカの統計では平均6回はまた家に戻るそうです。再出発をするには同じ立場の人同士で分かち合い、励まし合うことがとても重要なファクターだそうです。しかしそれを支える手があってのことですから、私たち女性は他人事と思わないで、何か出来ることがあればと思います。

 今日のお話を伺って一番思ったことは、人の人格の形成の根源にある子育ての難しさ、重大さです。私の子育ての時期には、ただただ忙しさに追われて、私は今、大切な命を神様から託されて育てていると言う思いはありませんでしたが、これから子育てをされる方 は、どうぞ神さまからの大切な預かり物を、かわいがって、かわいがって育ててください。
 

(久本順子)


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