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日本26聖人の祝日にあたって

 2月5日は日本二十六聖人の祝日です。この日を目指して六甲教会の数名の方が、聖人に倣って京都から長崎の殉教地西坂まで、巡礼に歩いておられるのをご存知でしょうか。

 そもそもこの巡礼は、今から二十数年前、当時六甲学院の音楽の教師を務めておられた本田周二先生が始められたものです。先生は巡礼と呼ばれるものは世界に見られる行事で、日本のカトリック教会でも是非始めてみたいと考えておられました。先生は私に、「日本の四国八十八ヶ所巡りを参考にして、二十六聖人の歩かれた京都から長崎までの道を歩いて見たいと思うのですが、どう思いますか」と話されたことがありました。私は、芸術家は夢みたいなことを考えるのだなぁと思って聞いていました。

 しかし、先生は着々とその準備をされていかれたのでした。その第一歩として四国巡礼の道をお一人で完歩されたのです。その時、先生は白装束に金剛杖、草履という出で立ちで、四国の田舎道を歩いていかれました。するとその時、畑で仕事をしていた一人の年老いた婦人に出会い、彼女は「今どき歩いて巡礼をされるのはめずらしいですね。皆、観光バスなどで参加されるのに。」と言われ、「せっかくですから家に来てお経を唱えて下さいませんか。」と願ったそうです。先生はその姿で、いまさら私はカトリック信者ですとも言えず、そこは演技の上手な先生、僧侶になりすまして、その方の家に行き、「ハンニャハラミター・・・」と記憶していた般若心経の一節を唱え、家族一同から「誠にありがとうございました。」とお礼を言われたというエピソードがあります。

 このような経験、体験、準備の積み重ねの結果、日本二十六聖人の巡礼が始まった次第です。この巡礼は京都から山陽道に沿って九州に渡り、長崎までおよそ一千キロの道を歩いていくのですが、この巡礼に参加された方々は延べ三千人を越えるとか。またこの巡礼で洗礼を受けられた方は64人と聞いております。初めにも記しましたように六甲の信者さんの中にも幾人かの方々が完歩しておられます。

 このように大きな巡礼に発展していったことは、本田先生始め関係者一同の祈りと努力の実りと言えますが、それよりも大きなことは神様と二十六聖人がじっと見守っていて下さったからできたものだと、先生ご自身感謝されておられました。私たちもこの会の永続発展、ひいては福音を広める為に二十六聖人のご保護とお導きを願って、益々発展していくことができますようお祈りしたいものと思います。

安芸瑛一神父

 

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