渡辺和子　講話「愛をこめて生きる」

ユーキャン出版局

シスター渡辺和子さんのわかりやすい優しい口調で、全12巻、計720分のＣＤに収録されています。

　「どう生きるか」という私たち誰しもが、日々繰り返し問いかけているテーマをめぐって、どのようにして愛をこめて生きるかを語りかけておられます。

　心に響いた箇所をとりあげてみますと、「いきいきといきていくには、大変なエネルギーが必要であるので、生きることを助ける言葉が大切」、「本当の優しさは、相手の心に寄り添うこと」、「ナンバーワンよりオンリーワン」、「運命は冷たいけれども摂理は暖かい」、「祈りというのは、自分自身の心を変えるもの」、「愛とは意志の行為であり人のぬくもりを伝える大切さ」などです。最後に「感謝と祈りをこめて」のところでは、心の中に「聖所」を育てなさいと結ばれています。

　目に見えるものに心を奪われ、不安になっている私たちに、目には見えない魂のもっとも深い部分を育てる大切さを語り掛けておられるように思います。また、今日次々と起こる社会問題も、私たちの子供時代にはあった社会のバランスが大きく崩れ、効率のみを追い求める価値観に私たち自身が染められてきた結果であることに気付かせてくれます。

（山縣）