ＮＨＫ教育テレビに「知るを楽しむ」という番組がある。11月12日午後10時25分から「キリシタンの村の殖産興業」が放送予定になっている。 かつて放映された雨宮神父の旧約聖書の講義も、テレビよりもテキストのほうが内容も充実していたし、随時読み返すことができる。このテキストも一読に値すると思われる。
　
　 今回の番組の内容は1868年(慶応４年)、まだ迫害の最中だった長崎に上陸したド・ロ神父の建築を主とした事績である。不思議なことにド・ロ神父の教えを受けて多くの聖堂を建てた鉄川与助は最後まで信仰を受け入れなかった。ド・ロ神父の事績は貧しかったキリシタン末裔の殖産のほうが重要だった。新たな宣教というよりは信徒の救済であったと思われる。 　ド・ロ神父の事績については、このテキストと似た内容の、2004年９月の日本経済新聞「天主堂の祈り」と題する特集記事があり、他にも単行本も出版されているが、この方は転居の際失われたのか手元に見当たらない。

　読み進んでテキスト最後の数行に至れば、我々が今何をしなければならないのか、どうあらねばならないかを考えさせられる。

（ヨハネ　三好）