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図書紹介
 

今回は中高生に読んでほしい本2冊を取り上げました。


「天平の夢」                                井上 靖

新潮文庫

先日、当教会で講演して下さった中村哲医師は、世界の恵まれない人たちに生きる意欲を与え、生活の安定をはかるために働いておられるとお話しされていました。

この本の舞台は今から1300年前。日本に仏教の戒律を伝えたいという一念で、あらゆる苦難を乗り越え、なんと17年をかけてやっとその“夢”をかなえた、鑑真という名僧と、5人の留学生の物語です。鑑真は何度も日本へ渡ろうと船を出しますが、その度に嵐などのために断念させられます。そのうち鑑真は失明しますが、それでもあきらめず、17年目にとうとう日本に上陸し、東大寺の僧に戒律を伝え、後に唐招提寺を開きます。

 自分を捨てて人のために生きるという大きな愛の話しです。時代は変わって、現代では冒頭の中村先生のように活動されている方もいます。そして同じように苦難を乗り越え、宣教のために来日された神父様方の苦労も推し量って欲しいとこの本を選びました。


「四十一番目の少年」                          井上 ひさし

文春文庫

 養護施設での作者の体験をもとにした自伝的要素の強い作品です。

 養護施設での上下関係、いじめといった逆境から這い上がり、世間並みのささやかな幸福をつかみたいと夢見る少年が、結局は殺人という形につき進んでしまうというお話しです。

 現代の子供たちに、貧しさ、人間関係、いじめといったことを考えてもらうのにとてもいい一冊です。是非、中学・高校の間に読んでみてください。              

(古川)

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