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 2010年9月19日、イギリスのバーミンガムのコフトン・パークで、ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿の列福式が、ベネディクト16世教皇によって司式される予定である。この機会に、現代のアウグスティヌスと言われるニューマン枢機卿について知るのも良いのではないかと思う。
 彼は1801年2月21日、銀行家である英国国教徒の息子として、ロンドンに生まれた。1824年、英国国教会の司祭に叙階される。その後、初代教会の教父たちの研究に打ち込んで強い影響を受け、1833年7月のオックスフォード運動を始める。この運動は英国国教会に大きな影響をあたえた。1845年10月9日、リトルモアで、バルベリ神父の手でカトリック教会に迎え入れられる。後に、ローマのプロパガンダ大学で学んで、カトリック司祭となる。
 ニューマン枢機卿は第二バチカン公会議の考え方を先取りしたような人物であり、特に「教義に関して信徒に聞く」は信徒とは何かという意義を述べたもので、信徒の知的成長をカトリック教会に対して促したと言える。教会を構成している生き生きとして教育のある信徒の存在が、カトリック教会の概念と神学にとって根本的必要事であるという考えが影響を与えた。
 以下に邦訳された著作と彼についての研究書を列挙する。

<著作>  『アポロギ』上・下   巽 豊彦訳     エンデルレ書店
 『損と得』       中村 巳喜人訳   ドンボスコ社
 『ケロンシアスの夢』  内館 忠蔵訳    日本聖公会出版
 『わが生涯の弁』(抄)  川田 周雄訳(現代キリスト教思想 書3)   白水社
 『心が心に語りかける』(ニューマン説教集)  日本ニューマン協会訳   サンポウロ
 『大学の理念』     増野 正衛訳    弘文堂
 『大学で何を学ぶか』  田中 秀人訳    大修館書店

<研究書>  『ニューマン』     石田 憲次著    研究社英米文学評伝 書47
 『ニューマン』     チャドウイック・オウエン著 川中 なほ子訳  教文館
 『教会とアウトサイダー』   ウィルソン・コリン著 中村 保男訳   河出書房新社
 『日本におけるニューマンの受容』   長倉 禮子著          荒竹書店
 『J・H・ニューマンの現代性を探る』 岡村 祥子・川中 なほ子編   南窓社
 『キリストを生きる』ニューマンの神学と霊性  イアン・カー著 川中なほ子・橋本美知子訳
*『時の流れを越えて−J・Hニューマンを学ぶ』  日本ニューマン協会編 教文社

 全くニューマンについて知らない方には*『時の 流れを越えて』を薦める。私が、受洗間もない頃に 「アポロギア」と「損と得」を読んだ。これらの本 しかまだなかったのだが、受洗したての信者として非常に強い感銘を受けた。

                                          (三輪 黎子)

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