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"今を大切に生きる"                              

 子どもたちと出会っていつも驚かされるのは、純真さ、素朴さ、敏感さ、そして直感の鋭さです。それらをどの子もみんな持っているのです。ということは私たち大人にも遠い過去にあったのです。
 ところがどうして今、それらは特定の人あるいは一部の人にしかないのでしょうか。多くの人からは、どうしてそれらが失われてしまった、否、忘れ去られてしまったのでしょうか。あまり使うことがないから自然に無くなってしまった、忙しいから忘れ去られてしまったのでしょうか。
 その理由をよく調べてみると、すべての事柄に対して素直な心で関わること、感動、感激することに鈍感になってしまったこと、そして、すべてが当たり前のこととして開き直ってしまったからです。しかし、この世に起こるすべての出来事を丁寧に観るとき、すべて"当たり前"のようなことは何一つないことに気づかされるのです。ところが私たちは、この世の価値観に振り回され、すべての出来事に対して"当たり前"と考えざるを得なくなってしまったのです。
 その原因として考えられるのは、忙しいから、またいちいち確認する程の必要性もないし時間の無駄、面倒、自分にとって利益にならないし、他人のことなど考えていたら負け組になってしまうからといった考え方が優先しているからなのです。つまり、個人主義、エゴ、自分さえよければそれで良しとする価値観に汚染されつつあるのです。
 "当たり前"のこと、それで良いのでしょうか?「純粋で素朴な心を、感激、感動する感性を呼び戻そう!」「あの時、あの頃のあなたを」と神様は、子どもたちを通して、心身ともに疲れている大人たちに向けて呼びかけています。「大人たちよ!もっと大切なものに心を向けなさい!もっと素直な自分になりなさい!」と。
 今に生きる子どもたち。今を生かし、今しかできないことを、今しか聞けないことを、今しか見ないことをよく知っています。それを大人に尋ねたい、知りたい、話して欲しいと大人たちに関わってくるのです。その呼びかけにあなたは、答えていますか?子どもたちを通して働かれる神の声に、あなたは耳を傾けていますか?あなたは大切なことを忘れていませんか?
 もっと広い心になって「人のための自分になりませんか」。そうすることによって、みんな一緒に歩むことが出来るし、自分もみんなも"今を大切に生きる"ことが出来るようになるのではないでしょうか。

主任司祭 松村信也

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