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「いただきます」と心から

                                            主任司祭 松村 信也 

 今夏も例年にない耐え難い酷暑。さらに東日本大震災と福島原子力発電所事故の影響から、ここ関西地方にあっても節電を強いられます。痛み、苦しみを東日本の方々と分かち合うことは、同じ人間として理に適ったことであると思います。

 しかし一方で、高齢化している我が小教区を鑑みるとき、「厳しいな!」と思わざるを得ません。お年寄りにとって、この猛暑はあまりにも熱すぎるからです。"熱中症"かな?と思ったら、すぐに体を冷やして下さい。熱い夏ですが、暑い夏だからこそ楽しいこともあると思います。前向きに楽しく夏を過ごせるように、互いに気づかい合い、助け合いながら今夏も乗り切りましょう。
 さて東日本の大震災で学ばせて戴いた中の一つに、被災者の子どもたちから"いのち"の大切さを教えられたことです。彼らはこの大震災によって、大切な人、大切なものを沢山亡くしました。まだ小学校の児童でありながらも、大震災という悲惨な出来事から"いのち"がどれほど大切なものかを、小さな体で感じ取られたのでしょう。

 テレビに放映された仮設校舎での食事の時間、小さな手が彼らの胸に合わされ「いただきます」と、心から感謝を込めたその言葉と姿勢に、強く引かれました。その引かれた理由の一つは、私たちも毎日使っている「いただきます」の言葉です。
 この言葉は、私たちが食するものすべて、生きているものの"いのち"を戴くことに感謝する言葉です。なぜなら私たちの戴く食物は、すべて生きています。もし死んでいる食物であれば、誰がそれらを食べることが出来るでしょう。私たち人間は、生きている沢山の"いのち"を戴くことによって、私たちの人生があるのです。

 「いただきます」とは、それらすべての"いのち"への感謝と"いのち"を戴くことによって生かされている者からの心からの敬意の言葉です。
 "小さなもみじ"の合掌と「いただきます」の感謝から、"いのち"の素晴らしさ、"いのち"の尊さ、"いのち"の大切さをしっかりと心に戴きました。
  "ごちそうさまでした"。


 

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