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    聖心(みこころ)の月                       片柳弘史(助任司祭)

 6月はイエスの聖心に捧げられた月です。この月の初めに当たって、もう一度、17世紀に生まれたイエスの聖心の信心の内容を振り返り、その意味を考え直してみましょう。

(1)信心の由来
 「イエスの聖心」への信心は、17世紀にフランスの田舎街、パレルモニアルの修道院で起こった出来事に由来しています。マルガリタ・マリア・アラコックという一人の修道女に現れたイエスは、人類への愛に燃え上がるご自身の心臓を彼女に示し、その愛を世界中に広めるよう命じました。それが、聖心の信心の始まりです。
(2)聖心の信心の広まり
 アラコック修道女の指導司祭だったイエズス会員、クロード・ラ・コロンビエールの尽力もあり、この信心は当時のフランスで多くの人々から受け入れられました。コロンビエール神父がイエズス会員であったことから、教皇ピオ12世はイエズス会に特にこの信心を世界に広める使命を与えました。数年前、教皇ベネディクト16世も、イエズス会にこの信心への熱意を保ち続けるよう改めて呼びかけられたばかりです。
 御出現の際、アラコック修道女にイエスは12の約束を与えました。その中でも特に有名なのは、12番目の約束でしょう。9ヶ月連続して初金曜日に聖体拝領に与るなら、その人は必ず最後に痛悔の心を抱き、秘跡に与ってから死ぬことができるというものです。この約束に希望を置いて、世界中のイエズス会の教会では毎月、初金曜日に特別なミサが行われています。
(3)なぜ聖心なのか?
 「とても大切な信心なのはわかるけれど、あの血を滴らせた心臓の絵はちょっと」という方もいらっしゃるかもしれません。なぜイエスは心臓を取り出してアラコック修道女に見せたのでしょうか。
 それは、当時のヨーロッパにおいて心臓が心の宿る場所だと考えられていたことによります。イエスは、ご自身の心にあふれる愛を、心臓というシンボルを通してお示しになったのです。
 ですから、現代ではあの心臓にそれほどこだわる必要はないでしょう。むしろ大切なのは、イエスの心に燃え上がる人類への愛を思い起こすことです。福音書に記されているイエスの言葉、イエスの愛の業は、すべてイエスの心が口に命じて語らせ、体に命じて行わせたことでした。イエスの心こそ、神の愛そのもの、人類の救いそのものと言っても過言ではありません。イエスの心を思い、そこからあふれ出す神の愛を全身で受け止めること、その愛にこたえて自己犠牲と奉仕の業に励むことこそ、わたしたちにとっての聖心の信心だと思います。
 6月15日の「イエスの聖心の祭日」を頂点として、この1ヶ月のあいだイエスの心に燃え上がるわたしたち一人ひとりへの愛を思って祈り続けましょう。

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